微笑みの爆弾。
皆様、こんばんは。
魔女です。
アタイ…、アタイ…、あいつに殺されちまうよ…!!!(泣き叫び)
花粉に。
今年こそはもうホンマに観念して、空気清浄機を買わねばならない。
どれがいいんやろ…。
プラズマクラスターのシャープかしら。
少々高くてもいい。
確実に花粉の奴等をとっ捕まえてくれるなら、それを買う。
このままでは部屋の窓、一ミリたりとも開けれない。
洗濯した服を着たら身体が痒くなる。
なんでかな?…って思ったら花粉やねん。
痒みにのたうちまわるの、ツラい。
外に干すの、やめて…(`;ω;´)
アレグラ星人飲んでてもこれかよ…(白目)
ドクターに相談してアレルギー薬、変えてもらおうかなぁ…。
これで黄砂が来たら、完全に外に出られなくなるやん。
魔女は態度がでかいくせに、びっくりするくらいチキンハートの持ち主だ。
ストレスはある日突然、胃にくる。
この、ギリギリと千枚通しを胃にぶっ刺されてグリグリされているような、激しい強烈な痛みはなんだ??
手持ちのガスターを飲んでみるが効かない。
「この一点集中型の痛みは、さしこみか?」と胃薬をブスコパンに変えてみるが、やっぱり効かない。
もうね、こんだけ痛いなら血便とか血尿とか出そうなもんなのに出ない。
胃に優しいマイルドなものを食べるように心掛けてはいたが、その努力を嘲笑うかのように胃は大反乱を巻き起こす。
胃のストライキ。
口にしたものをもれなく追い返す、大反乱。
味のあるものは、口に含むだけで嘔吐。
歯磨きは地獄だ。
胃液を吐きすぎて歯が酸でやられたのか、知覚過敏気味だ。
歯ブラシを歯に当てるだけで痛い。
仕事の時の歯磨きは、昼休みの終わりを告げる魔女の中での神聖な儀式だ。
儀式をすっ飛ばす事は許されない。
すっ飛ばすと、そわそわしてなんとなく落ち着かないからだ。
マウスウォッシュだけではダメなのだ。
歯磨きをしないとスイッチが切り替わらない。
我ながら、非常に面倒臭いと思う。
歯の痛みに耐えながら歯磨きを頑張ってするのだが…、ほんのちょっぴりの歯磨き粉の味にも嘔吐。
でも歯磨き粉をつけないと、磨いた気がしないから厄介だ。
トイレに入るのが間に合わない時は、歯ブラシを持ったまま洗面台で胃液を吐く羽目になる。
そんな魔女を、ずっと優しく見守っている人がいた。
掃除のオバチャンだ。
色白でふっくらして、とても穏やかで優しい人だ。
待ち伏せしてるのかと思うくらいに、魔女の嘔吐場面に毎回出くわすのだ。
個室でゲロゲロ吐いて、ヨロヨロしながら出たらやっぱりオバチャンがいた。
いつものように、「お疲れ様です~」と挨拶をする。
ゲロゲロ吐きすぎて、痩せたというよりやつれてフラフラする。
目の下にはクマが出来て、頬の肉が削げ落ち顔色も非常に悪いので「不健康万歳!!」と叫びたくなる。
口をゆすぐのすら苦痛で、水を口に含むだけで嘔吐。
あぁ…なんだかいつもよりさらに調子が悪すぎやしないか?
洗面台にしがみついてぜぇぜぇはぁはぁして、もうホンマにしんどい。
吐きすぎてしんどくて涙が出てくる。
オバチャンは魔女がしがみついている洗面台の隣で、鏡をキュッキュッと拭いている。
ピカピカなトイレは、オバチャンのお掃除のおかげなのだ。
そのトイレをゲロで汚すのは、なんだかとても申し訳なくなってくる。
「綺麗にお掃除してくださっているのに、汚してすみません…」
ぜぇぜぇはぁはぁ肩で息をしながら、涙目でオバチャンに謝る。
ホンマに申し訳なくて、申し訳なくて。
オバチャンは慈愛に満ち溢れた、女神の微笑みで言った。
「今はしんどいけど、終ったら楽になるから大丈夫よ。妊婦さんは誰もが経験する事やから気にしないの!」
「…はい………。……(  ̄- ̄)??」
(妊婦さん??誰の事なんやろ…)
女神の微笑みが眩しすぎて、率直な疑問を口に出来ない。
微笑みが素敵過ぎて、後光がさしている。
吐けるだけ吐いてトイレを去るが、頭の中は女神の言葉がぐるぐるまわる。
妊婦さんは誰もが経験する事…。
「妊婦さん」て、誰??(真顔)
ロッカーに歯磨きセットをしまいながら、人生の先輩と崇めている人に事情を説明してみる。
「それなぁ…あんたが妊婦さんやと思われてるで、絶対」
やっぱりか!!(白目で泡吹き)
妊婦さんになれること。
最近すっかりご無沙汰で、全然してません!!!!щ(゜▽゜щ)
(誰も知りたくもないプチ情報)
女神様からの微笑みの爆弾や…。
その後も謎の嘔吐は続き、歯医者さんでの定期検査と歯のお掃除中にも嘔吐してしまい、いよいよアカンやろ…と内科に走る。
空っぽの胃に、謎の嘔吐。
すい臓を疑われ血液検査もしたが、原因はわからず…人生初の胃カメラデビュー決定。
検査日に車の運転は出来ないと注意事項に書いてあるから、魔女のオカンに送迎を頼んだ。
テレビでよく見る、鼻からやなくて喉からカメラが入るやつやった。
カメラ、デカっ!!((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
というか、カメラついたホースみたいなの、やけに太すぎやしませんかいのう??
風呂場のシャワーホースみたいやん。
これが入るの?
無理やろ。
無理無理~~(ヾノ・∀・`)
魔女のオカンはピロリ菌の検査で同じ病院で胃カメラを飲んだが、麻酔でぐっすりスヤスヤと眠り、「気づいたら胃カメラは終わってて、いつの間に移動したのか部屋の隅の長椅子で寝ていた」というから呑気に構えていたら…まぁ、とんでもない。
麻酔、ホンマにしましたか?…ってくらいにヤバイ。
ホースみたいなのが食道をガンガン進んで、胃の中で動き回っているのがはっきりとわかる。
謎の嘔吐に苦しむ人間にこんなもん突っ込まれたら、そりゃ吐くやろ。
横に向いて寝ている口の下に置いてある、ゲロかよだれか…口から出てくるなんやかんやを受けるのであろう入れ物タプタプに、なにがなんだかわからんものをゲロゲロ吐く。
ゲロだけやなくて、涙も出てくる。
スヤスヤ寝るなんか無理やん。
めっちゃ意識あるし!!
こんなんでぐっすりと寝たオカン、おかしいんちゃうか!?
苦しい、苦しい、吐く~!!
早く終われ~!!!(`;ω;´)
富士フィルムの研究員のCMが頭の中をグルグルまわる。
助けて!!富士フィルムの人!!(叫)
その後も意識は一切飛ぶことはなく、胃カメラが抜き出された途端にスチャッと飛び起きて、ドクターと看護師さんにびっくりされた。
食道と胃に残る異物感が気持ち悪い。
もう一刻も早く帰りたい。
布団被って寝たい。
迎えに来てコールしても、オカンは来ない。
こんなにピンシャンしてるなら、自分の車で来ればよかった…orz
後日。
胃カメラの検査結果を聞きに内科をたずねた。
ピロリ菌、陰性。
あー。ピロリ菌、陰性か。
魔女、胃の中でピロリんは飼ってないってさ。
ピロリんってなんやねん(笑)
結局、胃痛の原因はいまだにわからないままだ。
うつ病の薬の副作用かもしれないが、結局謎のままだ。
ドクターに微笑みながら言われた。
「僕みたいにね、なーんも考えずにいたら胃は痛くならないよ!!君は繊細だね~。神経質はダメ!!胃が痛いわりに、君の胃は綺麗なんだよね。全然荒れてないし。」
微笑みの爆弾・第二段投下。
ドクターの笑顔と後光が眩しい。
なーんも考えてないのに痛いのよ。
これは胃腸炎やインフルエンザじゃないのは自分でもわかってる。
多分やけども、「顔が疲れているから飲みなさい」と栄養ドリンクが大好きな先輩から毎日のように強引に渡され飲まされ続けた、栄養ドリンクが胃痛の原因のような気がしてる。
あれ、カフェインそこそこ入ってるやん。
空っぽの胃にそんなん入れたら吐くやろ。
魔女は栄養ドリンクが得意ではない。
あの独特の甘さがどうにも苦手で、口の中で味を感じないように喉の奥に流し込む。
ユン○ルなんかを渡された日には、あのピリピリが喉の奥で非常に刺激的。
アリナ○ンは、飲んだ瞬間に吐く。
ニオイからしてあれはヤバイ。
ドリンクも錠剤もダメ。
正露丸と同じでニオイがあがってくるやん。
アリ○ミン飲める人、本気ですごいと思う。
微笑みの爆弾を2連発で食らって、結構ダメージはデカイ。
微笑みの爆弾の半分は優しさで出来ている。
女神からの爆弾を食らった後に、体調を一気に崩して休んだから女神の中では「妊娠確定」されているに違いない。
あぁ…慈愛の女神に会った時に魔女は女神になんて言えばいいのか…。
……想像妊娠だった事にしとこうかな(笑)