踊る鰹節と戦う孤独な戦士。
皆様、こんにちは。
魔女です。
腐らせたリップクリームについて、個人的に魔女の恩人から突っ込みを頂きました(笑)
や、うん、確かに無香料のやつはクサイというか、基剤そのもののニオイがするもんなんやけどな。
もうね、そんなレベルのクサイとかじゃないねん。
ずっと同じの使ってるから、明らかに違うねん…orz
皆様は、鰹節はお好きですか?
うどんに冷やっこ、たこ焼きやお好み焼きや焼きそばには欠かせない鰹節。
湯気にあおられてゆらゆら踊る鰹節に、魔女はなんだかワクワクする。
3割増しくらいで、めちゃくちゃ美味しそうに見えるやん?
たこ焼きやお好み焼きは、場合によっては青のりは泣く泣くお断りしても、鰹節は断らない。
卵かけご飯にかけても美味しいし、猫まんまも美味しい。
鰹節、最高!!!(笑)
そんな魔女に、鰹節嫌いな男が立ちはだかった。
彼氏だ。
最初の頃は全然気付かなかった…というか、彼の方も頑張って食べていたんだと思う。
お付き合いを始めてだんだんとお互いに素を出し始めた頃、魔女は腹ペコマンな彼に頼まれて、お使いでたこ焼きを買いに行った。
青のり、鰹節、ネギ、マヨネーズをどうするかお店の人に聞かれて何のためらいもなく「お願いします」と頼んだ。
まぁ、なんというかサービスてんこ盛りで「たこ焼き、全然見えへんやん」ってくらいに、たっぷりかけてくれた。
熱々の焼きたてのたこ焼きだが、ネギは食べるときにシャキシャキとフレッシュな歯応えがしそうな位わさわさと山盛り、その上に更に山のような鰹節。
ネギの隙間からの湯気に踊る鰹節。
青のりの存在感はネギに完璧にかき消されているが、踊る鰹節にワクワクする。
いいお使いが出来た。
完璧や…!!
買ったたこ焼きが入った袋をブンブン振り回しながら帰って、腹ペコマンな彼に得意気に差し出した。
お茶も買ってきたし、任務は完璧や!
自信満々に魔女が手渡した袋を覗きこんだ彼の顔が、微妙に歪んだ。
んん??(  ̄- ̄)
「鰹節のニオイがする…」
当たり前やん。
あんなに山盛りなんやから。
「俺、鰹節…嫌いやねん。ごめん。買い直してきて?」
今、なんて言うた?
魔女の耳がおかしいんかな?
「買い直してきて??」って聞こえたんやけど。
嫌いなら、最初にオーダーしてくれよ(笑)
彼は自分の鰹節嫌いは、魔女にバレていると思っていたらしい。
「よけて食べたらいいやん。ダメなの?」
「………」
渋々食べ始めた彼の鰹節嫌いは、予想をはるかに上回るかなりのものだった。
削り節みたいな粉の部分さえ、アウトなのだ。
鰹節を完璧に避けようとしたら、もうたこ焼きの表面は諦めるしかない。
食べるとこ、あらへんやん。
根負けしたのは魔女。
「もうやめとき。それは私が食べるから、買い直して来るから待ってて?」
お財布を持って、再びダッシュで買いに行った。
腹ペコマンの腹は、たこ焼きソースのニオイで腹ペコ具合がもう限界なのだ。
食べたいのに食べれない。
あの食欲をそそるソースのニオイ、拷問やろ。
お店の人に「あれ??ついさっき買いに来ましたよね?」と言われながら買い直し。
「鰹節がダメなお子ちゃまやってん(笑)」とケラケラ笑うしかない。
これ以降、いろんな場面で彼の鰹節に対する強制排除の場面に出くわすようになった。
彼は居酒屋で冷やっこを頼むのが好きなのだが、たまにお店の人に鰹節の有無の確認を忘れる。
行きつけのお店なら「鰹節抜きですね!(笑)」とこちらから言う前に言ってくれるから、たまに違うお店に行くと油断してしまうらしい。
油断するのは魔女も同じで、出てきたのを見て「あ!確認するの忘れてたやん…」となるのだ。
鰹節が乗った冷やっこに「あぁ~…」と泣きそうな顔をする彼は、かなり面白いし可愛い。
魔女より年上のおっさんやが、可愛い。
自分の箸に鰹節の一ミリ位の欠片が付くのすらダメなので、当然のように魔女の箸を奪い鰹節は魔女の口に強引に突っ込まれるのだ。
端から見たら「あーんして?(ハート)」をやっているバカップルにしか見えないだろうが、
真剣に鰹節の欠片を探して、魔女の口に突っ込む彼は、雛鳥にエサを与える親鳥に近い。
パカッと口をあけて突っ込まれるのを待つ魔女に、せっせと鰹節を与えるのだ。
鰹節の罠は、おにぎりにも潜んでいる。
居酒屋やラーメン屋、うどん屋のメニューに「おにぎり」しか書いてないお店では、2個のおにぎりの片方はたいがい鰹節が多い。
これ、中身は地域によって違うんやろか?
嬉しそうにかぶりついた後に、悲壮感が半端ない顔になる。
ちょっとしたロシアンルーレットだ。
鰹節が嫌いやから、当然のように鰹だしも嫌いだ。
だが、蕎麦やうどんは大好き。
めんつゆは容赦なく鰹だし。
ではどうするのか。
七味をアホのようにかけて、鰹風味を飛ばしてしまうのだ。
ざるは薬味を全部入れてごまかす。
一回だけ、温かいうどんの汁を飲ませてもらたったが思わず咳き込むくらいに辛かった。
ピリリどころの話ではない。
何を思ったのか鰹だしを全面に押し出しているラーメン屋に、うっかり入ってしまった事がある。
その時の彼の悲壮な顔は、今思い出してもかなり笑える。
彼は日夜、鰹節と戦う孤独な戦士だ。
鰹節は嫌いなくせに、鰹のタタキは大好きなのだ。
人の食の好みは不思議がいっぱいである。
好き嫌いなく何でも食べてや~(  ̄- ̄)